ケーキハウス・ツマガリ:甲陽園のお菓子工房

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WEB広報室

毎週、甲陽園本店にご来店いただいているお客様からのメッセージをご紹介致します。
お便りを読ませていただくと、いつも私どもの気の至らなさを、思い知らされます。
お叱りのなかにも、温かな励ましのお言葉も頂戴しております。
2006年6月のお便りから現在にいたるまで順次ご紹介してまいります。

日時:2007年8月6日
件名:力の有る素材

いつもお世話になっております。
8月前半は、休日返上で、お店を、お開けになる様子。
オーブン仕事、お客さん・ガレージの誘導など、灼熱地獄で大変だろうと思いますが、
お身体にお留意の上、ツマガリファンの為に、頑張ってください。

今回、また、どうしても、感動を語りたくなって、メールを差し上げました。
長い文章になりますが、どうかご容赦くださいませ。

甲陽園のカフェアラビカ

なんと言っても、大粒レーズンのシャキシャキした歯ざわりに、ビックリしました。
「周囲に、シャキシャキ音が聞こえているのではないかしら」、と思うくらい、シッカリした、瑞々しい歯ごたえ。
思わず、眼が、まん丸に。まさしく”大粒レーズン”の如く。

太陽の光をサンサンとあびて、しっかり水分が抜け、糖分やミネラルが凝宿。
その過程で、新たな旨味や芳香も生まれ、立派な干物になったレーズン。
そのレーズンが、丁寧な下ごしらえによって、生のときよりもパワーアップして、全く別のモノとして生まれ変わった!
という表現がふさわしい。

今までの私の「干しレーズン」のイメージは、「クニクニ・ぐにゅぐにょ」で、チョッと、歯に絡みつく。
そんな概念を、大きく覆されました。

水分を十分に吸収して、弾けんばかりに、パンパンに膨れ上がった大粒レーズン。
たとえるなら、真っ赤に熟したプチトマト。
噛むと、プチ!と皮が破けて
ジューシーで甘酸っぱい果汁が、シュパーっとシャワーの如く、口いっぱいに広がる。

モカ風味の生地やバタークリームも、素晴らしい美味しさなのは、いまさら言うまでもなく。

「干しレーズン」ではなく、「大粒レーズン」
まさしくその通り。
レーズンを使ったお菓子の「大傑作」だと思いました。

日時:2007年8月13日
件名:ツマガリのお菓子から感じた事

申し訳ない・・・とは思いつつ、ついつい、いつも「お品」を有難く頂戴している私共。
私共は、「こんなに、好くして頂けるほどの分際ではない」と、常に自戒し、
決して、思い上がる事なく、気を引き締めて、
これからも、津曲ワールドに魅せられた、一人の塾生として、お店にお伺いしたいと思います。

”ケーキハウス・ツマガリ”という場所に出会って

心底、ビクッリした。
心底、うれしいと思った。
心底、応援したいと思った。タダそれだけ。
それ以上でも、それ以下でもない。

そんな気持ちを、いつまでも忘れないようにしたいです。

タルト・オランジュ

シッカリ焼き込まれた、素朴な概観。
焼き肌そのまま、すっぴん勝負なのが嬉しい。

よく、お菓子の表面に、艶出しのジャムや、化粧の粉砂糖などがついている場合がありますが、
ベトベトして、思わぬところにくっついたり、粉で咽たりと、食べにくくなるし
味も、「甘く」なるだけのように思われて、あまり好みではありません。
「味のバランス上、必要な場合に」だけに、とどめて欲しいと、常々思っています。

サク、ホロリ、としたパイ皮。。
フカフカとした柔らかなアーモンド生地。
あっさりと、薄甘に煮込まれたリンゴ。ドロドロ、グズグズ、ベチャベチャしているのでなく、
かといって、芯が残った状態でもなく、全体が均一の柔らかさ。

ガブリとほお張ると「サクサク、フカフカ」と来て、「何か歯に当たる?」と思いきや
ほんのりシナモンが薫ってきて、「あ!リンゴだ」と、リンゴの輪郭が浮かんでくる。
軽い食べ口に誘われて、ドンドン食べ進み、あっという間に完食。

パイ菓子なのに、全く、油ぽさが感じられず、あまりにも、サックリ、あっさりと食べられるので、
ついつい、「もう一個!」となる。
「バターの旨味」は感じるけれど、全く、「バター臭」を感じない。

「バター=脂肪の塊」ではなく、「バター=旨味の塊」と言う事なのでしょうか。
今まで「バターの香り」だと思っていた臭いは、実は、「酸化した成分」や「香料」の
香りだったのかも知れません。
腕のいい料理人が揚げた”てんぷら”は、「油を感じさせない」と聞きますが、なるほど納得、と思います。
「デパ地下」や「焼き立てパン屋」から臭ってくる、咽返るようなバター臭。
あのにおいを嗅ぐと、胸が悪くなる事が多いのですが、
ツマガリのお店の周辺からは、バター臭や、甘ったるい臭いがしない。
強いて言うなら、ラム酒の香りがうっすらと。

デパ地下のスイーツコーナーへ行くと、ケーキが、沢山、並んでいます。

自分のお店のケースの前で、お客様に足を停めてもらうために、とても、きらびやかに飾り立てられている。
また、いろんなパーツを積み木のように積み重ねて、多重構造して、高価な値段で売られていたり。
飾りは綺麗だけど、見るからに不安定で、テイクアウトして、持ち帰る身の事を考えていない。
多重構造化したところで、果たして、味的に、それに見合うだけの相乗効果があるのか無いのか・・・・
第一、食べるにしても、一口で、そんなに入りきらない。

なので、私は、そういったお菓子は「工芸菓子」として、鑑賞して楽しむだけで十分。

ツマガリのお菓子に出会えて、本当に幸運です。
ツマガリのお菓子こそ、「洗練されたお菓子」だと思います。

ゴテゴテ飾り立てて、複雑構造のケーキを「上品で洗練されたお菓子」と
有難がる風潮が、世間にはあるように見受けられますが
「シンプル」に仕上げる事ほど、「怖い」事は無い。

無駄を極限まで省くから、残った「一つ一つ」の重要性が増す。
何が「必要」で、何が「誤魔化し」なのか、本質を見抜く眼が、必要。
判断を誤ると、全てが、水の泡。

素材をシッカリ吟味して、素材の性格を正しく把握。
そして、その素材を、自分のお菓子に、どう活かしたいのか、ハッキリとした設計思想を描き、
それに合うように、素材を下ごしらえ。
その過程で、欠点と思っていた事が、場合によっては利点になる事も、あるのでしょうね。
横着することなく、丁寧に仕込んで、火入れ。火と人間の共同作業。
火を使える動物は人間だけ。人間だけに許された特権。

仕上げの「飾り」や「カタチ」も、持ち帰り易さ、食べやすさなど、食べる人の事を、思いやって決める。
(そして、なんと言っても、気軽に買える金額に設定するのが一番重要!なんちゃって。)
買いに来た人が、笑顔でお店を出られるように、心をつくして、接し、
お菓子が無事に、口に届くまで想いをはせる。

「手間、心」を、惜しまず、こうやって作り出されたお菓子だからこそ、「お店の味・個性」がにじみ出る。
いま日本には、星の数ほどケーキ屋さんがあるけれど
「これがウチの味です」と、胸を張って云えるお店は、果たして、どれくらいあるのでしょうね。

また、長文になってしまいました事、ご容赦願います。

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