ケーキハウス・ツマガリ:甲陽園のお菓子工房

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ツマガリ社長について

講演内容

「社長が商品と社員とお客様に愛をもてば、必ず強い会社ができあがります」2005年1月「経営者会報1月号 異能経営者が行く!」より

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お菓子を手に満面の笑みのツマガリ社長

兵庫県西宮市のツマガリは、全国的な知名度をもつ洋菓子メーカーだが、本店のほか、わずか三店舗しかもたない。1986年の創業以来、厳選された素材と他社にない濃厚で芳醇な味わいを武器に堅実に成長してきた。「強い会社になったのは徹底的に大きくしなかったから」と語る創業社長・津曲孝氏に、その経営哲学を聞いた。

「ケーキハウス ツマガリ」は、西宮市・阪急甲陽園駅から徒歩二分、ビルの半地下の一見目立たない場所に本店を構える。高級住宅街であり、下町風の賑わいを拒絶しているように映るこの街で、ツマガリ本店は異質ともいえる賑わいを見せる。地元はもちろん、遠方からも大勢のお客が訪れ、途切れることがない。

多くのお客様の目当ては、オーナーパティシェの津曲孝が丹精込めた、ここでしか買えない生菓子。ケーキ一個が300円〜350円ほどと、世の洋菓子チェーンと価格的には変わらないが、中身は圧倒的と言っていいほどに違う。加工食品の類は一切使わず、すべて自社で調理し、素材のもつ力を引き出すのが津曲流である。
これは会社として売上の大半を占める焼き菓子においても貫かれている。

私は宮崎の出身で、15のときに田舎を出て、17でこの道に入りました。両親と早くに生き別れ、祖母や弟たちに仕送りをしないといけなかったから、もう必死でした。

昭和四十七年にエーデルワイスという洋菓子の会社に入って、そこで働くうちに認められて、子会社のアンテノールという会社の社長までやらせていただいた。大変勉強になりました。

"わがまま"に生きるべく独立を果たす

独立したのは昭和61年、35歳のとき。自分の世界を確立したかったんです。雇われの社長でもかなう面はあるけど、オーナーでないとどうしてもできないことがある。誤解をおそれずに言えば、オーナーでないとどうしてもできないことがある。誤解をおそれずに言えば、オーナー経営者というのは、自分の‘わがまま’を表現するために商売を始めるものでしょう。これはどんな商売でも一緒やと思いますよ。私がいい経営者かどうかは別として、いい創業経営者でわがままでない人はいないと思う。
当時、小学校だった娘が喘息で入院していて、一緒にいてやれる時間が取れなかったのもある。自分で商売すれば、自分のペースで時間を作れる。いろんな理由があって独立した、というこです。

それからは「いいものを作りたい」という気持ちだけでやってきた。いい素材というのはそれ自体、力をもっとる。本来のうまみが出るように手伝ってやればいいんです。

私の実家は農家で、味噌も醤油も手作り、砂糖と塩以外買わない家だった。海に潜って伊勢エビ採ってきたりしてましたし、なすび、芋なら芋の本来の味を知っている。生の人参に味噌つけておやつ代わりに食べてた。素材の味を体で覚えたことがいま役立っている。

加工ずみの素材は添加物が持ち味を殺しているので使いません。うちで使っている生クリームは砂糖以外加えていないから、生乳の味が生きている。バターは北海道の契約牧場で作ってもらっている。コーヒーもチョコレートも豆から挽いています。アーモンドはイタリアのものを取り寄せて、工房ですり潰して使う。本物のアーモンドは杏仁豆腐みたいな甘い香りがするんですよ。水も地下50メートルからくみ上げたものしか使わない。もちろん、私が使っている素材が一番だなんておこがましいことを言うつもりはない。だから常に一番いい材料を探して、世界中を飛び回っています。

商売に起死回生の策はありません。一番大事なことはお客様を喜ばせること。だからまず、自分が感動しないといけない。自分が感動していないモノで人様を喜ばせられるわけがない。そのためには絶え間ない努力と進化が必要。進化であって変化ではないんです。変化とは、状況や環境が変わった、さてどうしたろか、ということですから。周りや環境がすっかり変わる前に変えていくことが進化やと思う。

津曲の鍛えられた鋭敏な味覚が、本物志向以外許さなかったといえる。ビルの半地下にある十七坪の本店は、店舗の正面にクルマが停まれば見えなくなってしまう悪条件。しかし1986年の開業から18年、津曲の生み出す「本物志向」の洋菓子は地元の人々に愛されていった。

その間、大丸神戸店など百貨店などに焼き菓子を扱う三店舗を出店し、贈答用のニーズも開拓。関西を代表するブランドとなった。現在ではインターネットでの販売も広がりを見せている。ちなみにツマガリでは、顧客からカタログの希望があった場合、クッキーを詰め合わせたものを試食用として送付する。90%以上、購買に結びつき、ほとんどがリピーターになるという。

全体の売上は10年前の3倍になった。この5年間に限っても、2004年には18億5000万円。綺麗な右肩上がりの曲線を描いて成長してきた。

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