ケーキハウス・ツマガリ:甲陽園のお菓子工房

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ツマガリ社長について

講演内容

「地域にこだわったお菓子作り」神戸商工会議所での講演より

小さくてもきらりと光る店

甲陽園の街並

昭和61年、アンテノールの社長を辞めて、「ケーキハウス ツマガリ」をオープンしました。娘がアレルギーで病院通いをするようになり、それまで忙しくて家族の世話が十分にできませんでしたので、残りの人生は家族のために生きていこうと考えたからです。 店を始めるとき、うそ為りのない商売をしたい。小さくてもきらりと光る店にしたいと思いましたので、材料にもこだわりました。自前のバターや産地を限定したアーモンドなどです。今でも味見は絶対に私がします。

店は、甲陽園の山のふもとで、全く人気のないところでした。坂から9段下がっていましたので、車を横付けすると、まったく店は通りから見えません。売り上げは初日から先細りし、これからどうして伸ばしていこうかといろいろ考えながら、甲陽園の山をぐるぐる回っていたとき、宅急便の配達に出会いました。「この辺りは配達多い?」と聞いたら、「ああ、多いよ。出荷じゃなくて、よそからの荷物を配るほうだけど。この辺りはお金持ちだから、いただくことが多くても贈る人はいない」と言うのです。でも、私はいると思いました。たまたま、この街で贈り物をする店がないだけなのだと。

こんな話があります。アフリカに行った、2人の営業マンが現地人を見て、それぞれ会社に報告しました。1人は「誰も靴を履いていないから、絶対誰も靴を必要としないので、ここでは、売れません」。もう1人の営業マンは「皆、靴を履いていないので、皆に靴を履かせたら、大量に靴が要ります。会社にある靴を全部送って下さい」・・・これと一緒です。ちょっと違った見方をすることによって、まったく違ってきます。私は、この話を思い出し、これからはギフト戦略を手がけていけば、絶対に売れるぞ!と思ったのです。

街の名前をお菓子に

ギフト商品を開発したときに、あえて商品名を横文字にするのはやめて、手当たり次第に甲陽園の町の名前をつけていきました。「甲陽園一番坂」とつけると、二番坂の人に「うちもつけてちょうだい」と言われ、今度は、「二番坂のうたちゃん」。「私の住んでいる通りの名前がついたお菓子」と言ってその通りの人が何人かお得意様になって下さるのです。

また、道路で会ったかわいい子供さんに、「お名前は?」とたずねたら、「美代ちゃんです」。「おう、美代ちゃん。今度、美代ちゃんっていう名前をお菓子につけるからね。大きくなったら買ってね」。

私は今後も「ツマガリ」よりも「甲陽園」という町を大事にして、地域にこだわったお菓子づくりをしていきたいと思っています。ギフト戦略もどんどんアイディアがわいて、広がっていきました。

ある時、年配のお客様が「山のように贈り物をもらうので、何を贈っても喜ばない人を何とかして喜ばしたいのだけれど…」とおっしゃいましたので、お菓子にフラワーアレンジメントをつけ、さらにメッセージカードやその人にちなんだものを入れて差し上げると、先方がとても喜ばれたということでした。それ以後、お花とお菓子をアレンジし、ギフト商品の一つとして売るようになりました。

また、私は独立する時点から、お菓子屋さんもインターネットの時代が来て、お客様がお店にお越しにならなくても、商品を注文されるようになると思っていました。当初はDM、今はインターネットも併用し、以前お買い求めいただいた商品などもコンピューターでチェックして、全国にいらっしゃる何10万人のお客様のお好みに合わせた案内をしています。おかげさまで、ご注文いただく確率も高くなりました。これからは、お客様にどれだけキメ細かいサービスができるかが非常に重要だと思っています。

いかにお客様を喜ばせるか

 創業するときは、川をばっと飛び越えるような勇気が要りますが、飛び越えた後からが本当のスタートです。そのときに、自分がどれだけお客様を喜ばすことができるか、これに尽きると思います。

私が17歳のとき、修業していた横浜の店での話です。ケーキが50〜60円の時代で、当時の売り上げは5万円ぐらいでした。私は田舎に給料を全額送金していたので、自由になるお金はゼロ。親方に「10万円売ったら、1,000円くれますか」とお願いしたら、売れないと思っているので、「やる」と言われました。そこで、私は必死で努力しました。  店は駅のそばにありましたので、電車が着くとお客様が一度に来店されます。そこで、ケーキを作るときに、余分に作って、並んでいただいているお客様に「お帰りなさい。ご苦労さまでした。お子様に1つ余分に入れておきますから。どうぞ」。最後の1人か2人になったら、「長らくお待たせいたしました。申しわけなかったですね。2つ余分に入れておきます」と言って、渡しました。もちろん、心の底から「ありがとうございました」という言葉とともに‥‥‥。すると、1週間に2回くらい10万円以上を売り上げるようになったのです。私は、あの経験を通して、一生懸命さがいろいろな問題を打開していくことや純粋にお客様を喜ばそうとすることが大切だということを徹底的に学びました。

音を上げないで前向きに

私は創業に奇策はないと思っています。自分が何をもっていかにお客様を喜ばすか、自分がどれだけお客様を喜ばすことのできる能力を持っているか、さらに、どれだけ自分のやろうとしていることが好きか、自らやろうとする意思がどれだけ強いかが大事だと思います。経営には、同じ型や方法はないのです。その人の持ち味ですから、自信を持ってもらいたいと思います。

チャンスのない人はいないのです。全部の人にチャンスがあるのです。99敗しても、最後に1勝したらいいし、自分が負けていないと思ったら、負けていないのです。災いは福が来る前兆ですから、音を上げないで、常に前向きに自分のしたいことを実現させるために一生懸命になって下さい。

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